ポリエチレン(PE)とは
ポリエチレン(略称ではPE)とは、エチレンが重合した構造を持つ高分子のことです。化学式は(C2H4)nで、製法によりさまざまな特徴を持つポリエチレンの生成が可能です。 色は無色半透明~乳白色です。比重は0.91~0.96と軽く、水に浮きます。kgあたり200円前後と比較的低価格な素材であり、柔らかく成形もしやすいため、ポリエチレンは汎用プラスチックとしてさまざまな樹脂製品や加工パーツ、治具などに利用されています。
ポリエチレン(PE)の特徴
ポリエチレンは生成方法によりさまざまな種類がありますが、低密度と高密度に大きく二分することができます。
低密度ポリエチレン
低密度ポリエチレン(ローデンシティポリエチレン、略称LDPE)は、密度0.91~0.93未満のポリエチレンを指します。伸びやすく透明性も高いため、フィルムや保存容器などに使われています。
高密度ポリエチレン
高密度ポリエチレン(ハイデンシティポリエチレン、略称HDPE)は、密度0.94~0.96程度のポリエチレンを指します。低密度ポリエチレンよりも硬く、耐熱性にも優れています。
ポリエチレン(PE)の特徴
ポリエチレン(PE)は耐薬品性に優れているほか、耐熱性・耐寒性にも優れているため、さまざまな環境下での使用、加工が可能です。また、吸水性がほとんどないため、加工前に乾燥をさせる必要がなく、質量も狂いにくいという特徴があります。
ポリエチレン(PE)の特徴 一覧表
耐熱性 | 耐薬品性 | 潤滑性 | 電気絶縁性 | 防湿性 | 耐寒性 | 紫外線 | 吸水性 | 成形性 | 接着性 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
⚪︎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | × | × | ◎ | × |
圧縮強度 | 曲げ強度 |
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– | – |
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ポリエチレン(PE)のメリットデメリット
ポリエチレン(PE)のメリットデメリットを簡単にまとめました。
素材ごとに性質や価格が異なるため、メリットとデメリットを正しく知った上で最適な素材を選択することが大切です。
ポリエチレン(PE)加工のメリット
医薬用品の容器にも使用が可能
ポリエチレン(PE)は安価で軽く、成形がしやすいため、その扱いやすさからさまざまな場面で活用されています。耐薬性、耐熱性、電気絶縁性など優れた性質も多いため、食品用トレイや医療用容器類などのプラスチック製品から、小さな部品や治具など、活用の幅は多岐に渡っています
ポリエチレンの加工方法は、切削加工のほかに射出成形や押出成形、真空成形、圧空成形やブロー成形も可能なため、大量生産にも向いています。
ポリエチレン(PE)加工のデメリット
不向き
柔らかく、粘りがあるため切断部にバリやひげが出やすいので注意が必要です。また、刃物の切削方向や切削の量によっては、仕上がり面に違いが出ることにも気を付けましょう。耐薬性が強いため、消毒などの薬品の影響を受けにくいのは良いのですが、その反面、接着や印刷には向いていません。
紫外線に弱いため、屋外での使用は劣化してしまうためお勧めできません。
柔らかい素材なので割れにくく、加工もしやすいのですが、表面に傷がつきやすいという点にも注意しましょう。
ポリエチレン(PE)とよく比較される素材
代替素材としてよく挙がるのが、ポリアセタール(POM、ジュラコン®)です。POMの方が加工がしやすいため、形状によっては材料費+加工費の総コストで見た時、POMの方が優位になることがあります。 また、100℃以上の高温化での使用を想定される場合は、ポリエチレン(PE)ではなくフッ素系樹脂(PTFE)の利用もおすすめです。 F・S・エンジニアリングでは異なる素材での試算も可能です。お気軽にお問い合わせください。
ポリエチレン(PE)加工を採用するのにお勧めのシーン
どんな時にポリエチレンを採用すべきかを簡単にまとめました。
リーズナブルに、安定した成形を
行いたいとき
軽量化を求めているとき
さまざまな加工方法での加工を
前提としているとき
医薬品容器など、耐薬性が
求められるとき
防水素材を求めているとき
ポリエチレン(PE)加工のポイント
加工の際のポイントをまとめました。
目的達成のために最適な素材を選択する
今回の加工における目的達成のためにポリエチレンが最適かを判断しましょう。「材料費が安価で手に入りやすいため、ポリエチレンだと一番コストダウンできる」と短絡的に考えると失敗することがあります。加工のしやすさや加工条件など、トータルで評価することが大切です。
欲しい精度や品質に最適な加工方法を選択する
加工方法は、望んだ精度や品質が実現できる手法を選びましょう。もっとも精度を高めたい場合は、切削加工がお勧めです。
品質に注意して加工業者を選択する
特にポリエチレンの場合は、バリ取りや面取りの品質や表面に傷がついていないかなど、素材の性質に合わせた後処理がきちんとなされているかチェックしましょう。加工部分の小さなひげが寸法を狂わせる原因となることも多いため、丁寧な仕事をする先を選ぶと安心です。 また、寸法や穴径などの納品前検査が精密になされているかも確認しましょう。
F・S・のポリエチレン(PE)加工の特徴
F・S・エンジニアリングのPE加工の特徴をまとめました
FEATURES
精度の高い加工が実現する
ポリエチレン(PE)の性質を考慮した設計、加工を行うため寸法に狂いが生じにくいのが特徴です。 微細加工機、マシニングセンター、NC旋盤など豊富な工作機器を使い、最適な手法・速度・回転数で加工を行います。
FEATURES
バリに強い
高い切削技術により、バリの発生を抑えた加工を実現します。バリが生じた場合にも速やかに適切に処理をすることで、高品質な樹脂パーツ、治具の納品に努めています。
FEATURES
パーツ1つからご相談が可能
高い精度の要求を可能にする切削加工の場合は、最小1個から承ることが可能です。素材や設計の変更、微調整、試作品としてなど「1個、精度の高い樹脂加工部品を手に入れたい」というお客様のお力になれます。
加工実績
食品加工・半導体・医療など、各分野のニーズを捉えた当社の加工実績をご紹介します。
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※その他にもSPS・PMPなどさまざまな素材の取り扱いがございます。
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