PEI(ポリエーテルイミド)とは
PEI(ポリエーテルイミド)は、高性能な工学プラスチックの一種です。その化学式は(C14H12N2O3)nで表され、特徴的なアミド基とエーテル基を持つ炭化水素ポリマーであり、成形性を改良するために製造された樹脂です。PEIは耐熱性、耐化学薬品性、そして機械的強度に優れています。その耐熱性は、通常のプラスチックが耐えられない高温下での使用に適しています。さらに、PEIは難燃性を持ち、炎上しにくい特性があります。この特性は、航空宇宙や自動車などの安全性を要求される分野で重要です。また、化学的に安定しており、多くの薬品や溶剤に対して耐性があります。そのため、化学工業や医療機器などの分野でも幅広く利用されています。さらに、PEIは優れた電気絶縁性を持ち、高周波やマイクロ波のアプリケーションにも適しています。その結果、高い性能と多様な用途の特性から、PEIは工学分野で重要な材料として広く採用されています。
PEI(ポリエーテルイミド)の特徴
PEI(ポリエーテルイミド)は、高性能プラスチックの一種で、機械的強度、耐熱性、化学耐性に優れています。PEIにはいくつかの種類がありますが、主なものには以下のようなものがあります。
ULTEM™
SABICが供給しているULTEM™は、PEIの一種であり、耐熱性、耐火性、難燃性が特に優れています。高温環境での使用に適しています。
標準グレード
標準的なPEI素材です。機械的強度と耐熱性に優れ150℃以上の温度環境でも優れた特性を発揮します。
強化グレード
ガラス繊維30%配合のPEI素材です。ガラス繊維で強化されているため、剛性とクリープ強度が高くなっています。
高強化グレード
50 vol%のガラス繊維織布で強化されたポリエーテルイミド(ウルテム樹脂)をベースにしたPEIコンポジットです。
PEI(ポリエーテルイミド)の特徴
PEI(ポリエーテルイミド)は、高性能な工学プラスチックの一種であり、その特徴は幅広い産業で利用されています。まず、PEIは高い耐熱性を持ち、長期間の高温環境に耐えることができます。これは、自動車部品、航空機部品、電子部品などの高温環境下での使用に適しています。さらに、PEIは優れた機械的特性を持ち、強度と剛性が高く、耐摩耗性も優れています。そのため、機械部品や工業製品の製造に適しています。また、PEIは化学的に安定しており、耐薬品性が高いため、薬品や溶剤との接触にも適しています。さらに、PEIは難燃性があり、自己消火性があるため、火災安全性にも優れています。これらの特性から、PEIは医療機器、航空宇宙機器、電気・電子機器、自動車部品など、さまざまな産業で幅広く利用されています。
PEI(ポリエーテルイミド)の特徴 一覧表
耐熱性 | 耐薬品性 | 耐熱水性 | 電気絶縁性 | 耐候性 | 耐放射線性 | 難燃性 | 寸法安定性 | 成形性 | 耐摩耗性 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | × |
機械的強度 | コスト |
---|---|
◎ | × |
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PEI(ポリエーテルイミド)のメリット・デメリット
PEI(ポリエーテルイミド)のメリット・デメリットを簡単にまとめました。
素材ごとに性質や価格が異なるため、メリットとデメリットを正しく知った上で最適な素材を選択することが大切です。
PEI(ポリエーテルイミド)加工のメリット
PEIは非常に耐熱性に優れています。これは、高温での安定性が必要なアプリケーションに最適です。また、PEIは耐薬品性も高く、さまざまな化学物質に対して安定性を保ちます。そのため、医療機器や自動車部品などの厳しい環境下で使用される製品に適しています。さらに、PEIは優れた機械的特性を持ち、強度と剛性が高いため、耐久性が求められる場面で頼りにされます。そのため、航空宇宙や航空機の部品などの分野でも広く使用されています。そして、PEIは難燃性があり、自己消火性を持つため、安全性が重視されるアプリケーションにも適しています。PEIは加工しやすく、複雑な形状や細部を正確に作ることができます。そのため、精密部品や高度な設計が必要な製品の製造に向いています。
PEI(ポリエーテルイミド)加工のデメリット
PEI(ポリエーテルイミド)は、高性能な樹脂ですが、加工する際にいくつかのデメリットがあります。まず第一に、PEIは高温での成形加工が必要です。一般的にPEIを加工するためには、高温の専用機器や設備が必要であり、それに伴うコストや設備の導入が必要となります。また、高温での加工は作業者の安全面や労働環境にも影響を及ぼす可能性があります。さらに、PEIは加工中に発生するガスや臭気があり、これらの有害物質を管理する必要があります。加えて、PEIは非常に硬くて剛性が高いため、加工が難しく、切削や成形などのプロセスにおいても高度な技術と工具が必要です。また、PEIは比較的高価な素材であるため、材料コストも考慮する必要があります。
PEI(ポリエーテルイミド)とよく比較される素材
PEI(ポリエーテルイミド)によく似た樹脂材料として、PPS(ポリフェニレンスルフィド)が挙げられます。これらの材料は両方とも高性能なプラスチックポリマーであり、異なる特性を持っています。 まず、PEIとPPSの共通点は、両方とも高温に耐えることができることです。PEIは高温においても優れた耐熱性を示し、高温下での物理的・化学的安定性があります。同様に、PPSも高温環境で安定性を持ち、耐熱性に優れています。 しかし、異なる特性も存在します。例えば、機械的強度や剛性において、PEIはPPSよりも優れています。PEIは高い強度と剛性を持ち、機械的な負荷に対して耐久性があります。一方、PPSは柔軟性に優れており、繊維状の構造を持つことから、耐摩耗性や耐薬品性に優れています。 また、加工性も異なります。PEIは高いガラス転移温度を持つため、加工が難しく、高度な技術が必要です。一方、PPSは加工しやすく、成形や切削が比較的容易です。 さらに、電気特性も異なります。PEIは優れた電気絶縁性を持ち、高い耐電圧を示します。一方、PPSはより低い絶縁性を持ち、高温下での電気特性が安定しています。
PEI(ポリエーテルイミド)加工を採用するのにお勧めのシーン
どんな時にPEIを採用すべきかを簡単にまとめました。
高温での使用が必要な電子機器や自動車部品
化学的耐性と生体適合性が必要な医療分野での使用
軽量でありながら高い耐熱性を持つ素材が必要
広い温度範囲で安定する、環境試験装置の部品
優れた絶縁性能を持つ電気絶縁材料
PEI(ポリエーテルイミド)加工のポイント
加工の際のポイントをまとめました。
目的達成のために最適な素材を選択する
今回の加工における目的達成のためにPEIが最適かを判断しましょう。「高価だが、あらゆる性能に優れたPEIを採用する…」と短絡的に考えると失敗することがあります。加工のしやすさや加工条件など、トータルで評価することが大切です。
欲しい精度や品質に最適な加工方法を選択する
加工方法は、望んだ精度や品質が実現できる手法を選びましょう。もっとも精度を高めたい場合は、切削加工がお勧めです。
品質に注意して加工業者を選択する
特にPEIの場合は、バリ取りや面取りの品質や表面に傷がついていないかなど、素材の性質に合わせた後処理がきちんとなされているかチェックしましょう。加工部分の小さなひげが寸法を狂わせる原因となることも多いため、丁寧な仕事をする先を選ぶと安心です。 また、寸法や穴径などの納品前検査が精密になされているかも確認しましょう。
F・S・のPEI(ポリエーテルイミド)加工の特徴
F・S・エンジニアリングのPEI加工の特徴をまとめました
FEATURES
精度の高い加工が実現する
PEI(ポリエーテルイミド)の性質を考慮した設計、加工を行うため寸法に狂いが生じにくいのが特徴です。 微細加工機、マシニングセンター、NC旋盤など豊富な工作機器を使い、最適な手法・速度・回転数で加工を行います。
FEATURES
バリに強い
高い切削技術により、バリの発生を抑えた加工を実現します。バリが生じた場合にも速やかに適切に処理をすることで、高品質な樹脂パーツ、治具の納品に努めています。
FEATURES
パーツ1つからご相談が可能
高い精度の要求を可能にする切削加工の場合は、最小1個から承ることが可能です。素材や設計の変更、微調整、試作品としてなど「1個、精度の高い樹脂加工部品を手に入れたい」というお客様のお力になれます。
加工実績
食品加工・半導体・医療など、各分野のニーズを捉えた当社の加工実績をご紹介します。
汎用プラスチック
汎用プラスチック素材に関するご案内です。
※その他にもSPS・PMPなどさまざまな素材の取り扱いがございます。
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