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汎用エンプラでは最軽量、多様なグレードがラインナップ

変性PPE(変性ポリフェニレンエーテル)

軽量で寸法安定性、耐熱性などに優れた特性を誇る
変性PPE(変性ポリフェニレンエーテル)素材に関するご案内です。

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変性PPEとは

変性PPE(Polyphenylene Ether)は、主にポリフェニレンエーテル(PPE)と他の樹脂(特にポリスチレン(PS))をブレンドした合成樹脂です。PPE自体は、エンジニアリングプラスチックの一種で、優れた機械的特性と耐熱性を持っていますが、その成形性が低く、加工が難しいという欠点があります。この問題を克服するために、PPEを他の樹脂とブレンドし、特性を改善することが一般的です。 PPEの化学構造は以下の通りです: (C 6 H 4 O) 𝑛 (C 6 ​ H 4 ​ O) n ​ この構造により、PPEは強固な芳香環を含み、優れた耐熱性を示します。 一方、ポリスチレン(PS)の化学構造は以下の通りです: (C 8 H 8 ) 𝑛 (C 8 ​ H 8 ​ ) n ​ PSは、透明性が高く、成形性や加工性に優れるため、これをPPEとブレンドすることで、両者の特性を生かした合成樹脂が得られます。 樹脂変性PPEは、このPPEとPSを特定の割合でブレンドし、それぞれの特性を補完する形で作られます。。

変性PPEの特徴

変性PPEは、ポリフェニレンエーテル(PPE)と樹脂変性剤を組み合わせた材料です。この材料は、高温に耐える性質を持ち、難燃性があり、耐薬品性も優れています。樹脂変性PPEにはいくつかの種類があります。

PPE/PS系アロイ

PPEに樹脂変性剤としてポリスチレン(PS)を添加することで、耐衝撃性を向上させたものです。このタイプのPPEは、自動車部品や電子機器など、耐衝撃性が要求される製品に広く使用されています。

PPE/PA系アロイ

PPEとポリアミド(PAI)樹脂とのアロイにより、耐熱性・耐ソルベントクラック性を向上させたものです。この種類のPPEにも、ガラス繊維強化グレードや難燃グレードがあります。

PPE/PPアロイ

PPEにPPを添加することで、耐油性とガスバリア性を高めたものです。このタイプのPPEは、PPと比較してクリープ性、寸法精度、耐銅害性に優れています。

変性PPEの特徴

機械的強度が高く、耐衝撃性に優れています。これは、PPEの持つ高い剛性とPSの吸収性能の組み合わせによるものです。そのため、自動車部品や家電製品などの耐久性が求められる製品に広く利用されています。また、耐熱性も優れており、高温下での安定性があります。さらに、化学的耐久性も高く、薬品や溶剤に対して安定した性能を発揮します。さらに、電気絶縁性があり、電子機器の部品や電気配線などにも適しています。さらに、加工性にも優れており、射出成形や圧縮成形などの加工方法で容易に形状を作り出すことができます。総じて言えば、樹脂変性PPEは優れた物性を持ち、幅広い産業分野で利用されている汎用性の高い材料です。

変性PPEの特徴 一覧表

耐熱性耐衝撃性耐候性電気絶縁性耐有機溶剤寸法安定性機械特性耐熱水性成形性耐薬品性
難燃性軽量

グレードから素材の性質を調べたい方はこちら

耐熱グレード

高温になる環境下での連続使用に耐えうる素材をお求めの方に

導電グレード

「電気を通す性質」が必要な樹脂パーツ・治具をお求めの方に

帯電防止グレード

ホコリの付着や静電気障害が起こりにくい素材をお求めの方に

摺動グレード

滑らかな動きを可能にする素材が必要という方に

耐候グレード

紫外線や湿度など環境への耐久性を備えた素材をお求めの方に

変性PPEのメリット・デメリット

変性PPEのメリット・デメリットを簡単にまとめました。
素材ごとに性質や価格が異なるため、メリットとデメリットを正しく知った上で最適な素材を選択することが大切です。

変性PPE 加工のメリット

高い耐熱性と難燃性
優れた電気絶縁性を有する
軽量であり、抜群の寸法安定性あり
耐加水分解性にも優れている

変性PPEは高い耐熱性を持っています。これは、高温での使用や加工が必要な場面で非常に重要です。例えば、自動車部品や電子機器など、高温環境下で安定した性能を発揮する必要がある製品に適しています。 さらに、優れた電気特性を持っています。絶縁性が高く、電気絶縁材料として広く用いられます。この特性は、電子機器や通信機器などの分野で重要視されます。 また、樹脂変性PPEは化学的に安定しており、耐薬品性に優れています。さまざまな化学物質に対して安定した性能を示すため、薬品や化学製品の取り扱いに関わるアプリケーションで広く使用されます。 さらに、この素材は強度や剛性が高く、耐衝撃性にも優れています。これにより、機械部品や構造部品など、高い耐久性が求められる製品にも適しています。 そして最後に、樹脂変性PPEは比較的加工しやすい特性を持っています。汎用エンプラ中で最も軽量で、成形や加工がしやすく、複雑な形状の部品やコンポーネントを製造する際にも適しています。。

変性PPE 加工のデメリット

溶融粘度が高く成型しにくい
粘りがあり、バリが生じる
芳香属炭化水素系溶剤の影響

変性PPE(ポリフェニレンエーテル)は、高温に耐える性能があり、様々な産業で使用されています。しかし、加工する際にはいくつかのデメリットがあります。まず第一に、樹脂変性PPEは他の一般的なプラスチックと比べて加工が難しいです。そのため、加工には特殊な技術や設備が必要になります。また、高温で加工されるため、加工工程での注意が必要です。さらに、樹脂変性PPEは比較的高価な素材であるため、コスト面でもデメリットがあります。加工コストが高くなる可能性があります。そして、他のプラスチックと比較して、樹脂変性PPEはあまり一般的ではないため、市場での需要が限られている場合があります。

変性PPEとよく比較される素材

変性PPEと類似した樹脂材料として、ポリフェニレンエーテル(PPE)とポリカーボネート(PC)が挙げられます。これらの材料はいくつかの点で類似していますが、それぞれ独自の特徴も持っています。 まず、変性PPEとPPEの比較から始めましょう。樹脂変性PPEは、ポリフェニレンエーテルにエチレンプロピレンゴム(EPR)やエチレンプロピレンジアストマー(EPDM)などのエラストマーを混合したものです。これにより、機械的強度や耐衝撃性が向上し、加工性も改善されます。一方、純粋なPPEは耐熱性や難燃性に優れ、化学的耐性も高いですが、機械的強度や耐衝撃性はやや劣ります。 次に、ポリフェニレンエーテル(PPE)とポリカーボネート(PC)を比較します。両者は共に透明性が高く、耐熱性に優れています。しかし、PPEはPCよりも耐衝撃性が高く、化学的に安定しています。一方、PCはより硬く、剛性があり、耐摩耗性に優れています。また、PCは耐候性にも優れており、屋外での使用に適しています。それぞれの材料は異なる特性を持っていますので、使用目的や環境に応じて適切な材料を選択することが重要です。

変性PPE 加工を採用するのにお勧めのシーン

どんな時に変性PPEを採用すべきかを簡単にまとめました。

耐熱性や耐油性を要求される部品が必要

軽量化を求めているとき

薬品に対する耐性が必要な医療機器や器具の製造

酸やアルカリ性溶液に耐性が求められるとき

湿度等の影響を受けず、寸法精度が出したい

変性PPE 加工のポイント

加工の際のポイントをまとめました。

目的達成のために最適な素材を選択する

今回の加工における目的達成のために変性PPEが最適かを判断しましょう。「軽量で高性能な樹脂材であれば、変性PPEが一番だろう」と短絡的に考えると失敗することがあります。加工のしやすさや加工条件など、トータルで評価することが大切です。

欲しい精度や品質に最適な加工方法を選択する

加工方法は、望んだ精度や品質が実現できる手法を選びましょう。もっとも精度を高めたい場合は、切削加工がお勧めです。加工法の選定はもちろん、仕上げ処理のポイントを押さえることで、変性PPEの切削加工を効率的に行い、高品質な製品を生産することができます。

品質に注意して加工業者を選択する

特に変性PPEの場合は、バリ取りや面取りの品質や表面に傷がついていないかなど、素材の性質に合わせた後処理がきちんとなされているかチェックしましょう。加工部分の小さなひげが寸法を狂わせる原因となることも多いため、丁寧な仕事をする先を選ぶと安心です。 また、寸法や穴径などの納品前検査が精密になされているかも確認しましょう。

F・S・の変性PPE加工の特徴

F・S・エンジニアリングの変性PPE 加工の特徴をまとめました

FEATURES

精度の高い加工が実現する

変性PPEの性質を考慮した設計、加工を行うため寸法に狂いが生じにくいのが特徴です。 微細加工機、マシニングセンター、NC旋盤など豊富な工作機器を使い、最適な手法・速度・回転数で加工を行います。

FEATURES

バリに強い

硬質切削工具やダイヤモンドコーティングされた刃物の選択など変性PPEに最適な加工法・工具を採用します。バリが生じた場合にも速やかに適切に処理し、高品質な樹脂パーツ、治具の納品に努めています。

FEATURES

パーツ1つからご相談が可能

高い精度の要求を可能にする切削加工の場合は、最小1個から承ることが可能です。素材や設計の変更、微調整、試作品としてなど「1個、精度の高い樹脂加工部品を手に入れたい」というお客様のお力になれます。

加工実績

食品加工・半導体・医療など、各分野のニーズを捉えた当社の加工実績をご紹介します。

加工実績一覧を見る

食品加工関連向け樹脂加工・治具

薬品洗浄・加熱殺菌処理にも対応できる、衛生面と耐久性を兼ね備えた食品加工関連パーツの加工を行っています。

半導体関連向け樹脂加工・治具

厳しい製造環境にも耐えうるような、帯電防止性や耐熱性等の特性を兼ね備えた半導体関連パーツの加工を行っています。

医療用関連向け樹脂加工・治具

医療器具には欠かせない耐薬品性・耐熱性などをサポートする樹脂材を多数取り揃え、高い精度と性能が要求される医療現場を陰で支えています。

その他樹脂加工・治具

多種多様な使用用途に応じた特別な寸法・形状のプラスチック加工品も製造しています。また、規格品の追加工・カスタマイズも承ります。

汎用プラスチック

汎用プラスチック素材に関するご案内です。

PE

ポリエチレン

PP

ポリプロピレン

PVC

ポリ塩化ビニール

PMMA

アクリル樹脂

※その他にもSPS・PMPなどさまざまな素材の取り扱いがございます。

汎用エンジニアプラスチック

機械的強度や耐熱性などに優れた特性を有する汎用エンプラ素材に関するご案内です。

PA

MCナイロン/ポリアミド

POM

ポリアセタール

PC

ポリカーボネート

PBT

ポリブチレンテレフタレート

変性PPE

変性ポリフェニレンエーテル

PET

ポリエチレンテレフタレート

※その他にもSPS・PMPなどさまざまな素材の取り扱いがございます。

スーパーエンプラ

150℃以上の耐熱性・優れた耐久性など高性能を誇るスーパーエンプラ素材についてはこちらです。

PPS

ポリフェニレンスルフィド

PTFE

テフロン

PEEK

ポリエーテルエーテルケトン

PI

ポリイミド

PAI

ポリアミドイミド

PEI

ポリエーテルイミド

※その他にもPPA・LCP・PSU・PES・PAR・PPUSなどさまざまな素材の取り扱いがございます。